ずーっとあなたに恋してた

苦しくて、切なくて、でも愛おしい。そんな恋の物語。

かき氷

それから私たちは、ユリさんの希望でショッピングモールに向かった。

 

そこでランチを食べたり、服を見て回ったりした。

 

ユリさんは美人なうえにスタイルがよくておしゃれさんだから、普通に歩いてても様になる。

 

私とは部類がちがうというか、一緒に歩きながらなんとなく恐縮してしまい、気付くとユリさんの半歩後ろを歩く感じになっていた(;´∀`)

 

 

そんな私に気がついたのか、ユリさんが私を見てふふっと笑った。

 

「歩くの遅くないですか?笑」

 

と笑うユリさん。

 

『足が短いもんで、ごめんね』

 

といってユリさんの横につくと、ユリさんはまたふふふと笑った。

 

 

そんな感じでゆるりと歩いていると、途中でおいしそうなかき氷が目に留まった。

 

 『おいしそ~♡ あれ食べない?』

 

とユリさんに提案すると、

 

「私はジュースにしよっかな~」

 

というので、私だけかき氷を食べることに。

 

注文したかき氷とジュースをもらって、私たちは隣のベンチに座った。

 

 

このかき氷が、めちゃくちゃうまかった。

 

フルーツものってて、アイスものってて、白玉ものってて。

 

ちょうど喉もかわいていたので、

 

『これうまい~!』

 

と夢中になって食べた。

 

 

するとそれを見ていたユリさんが

 

「一口ください」

 

といってきた。

 

『あ、じゃあスプーンもう一本もらおうか?』

 

というと、ユリさんは首を横に振り、

 

「一口でいいです」

 

と口をあーんと開けた。

 

 

『⁈』

 

 

実は私、人とお箸やスプーンを共有するのはあまり好きではない。

 

ジュースの回し飲みなんかも嫌いで、家族や友達ともあまりしない。

 

ちょっと潔癖なところがあって、そういったことが苦手なのだ。

 

 

でも・・・

 

でも・・・

 

 

相手がユリさんだと話はちがう(笑)

 

これは間接キスじゃないか!!

 

と、まるで中学男子のように急にユリさんのことを意識しだしてしまった。

 

 

『え~、食べないって言ったじゃんか~』

 

と、少しはぐらかそうとしたけど、

 

「そのおもちだけください」

 

と、また口をあーんと開けるユリさん。

 

そのかわいさに負けた私は、白玉を乗せたスプーンをユリさんの口へと運んだ。

 

 

なんだかもう、同じスプーンを使ったというだけで、かき氷の味も分からなくなってきた・・・(笑)

 

本当に自分でも「いくつだよっ!」とツッコミたくなるけど、ユリさんが相手だと私はおかしくなってしまうのだ。

 

 

 その後もユリさんが好きなショップを回ったりして買い物を楽しんだ。

 

「これとこれどっちがいいかな~・・・」

「これ、木下さんに似合いそう!」

 

そんな感じでショッピングを楽しむユリさんを眺めていると、彼女の買い物に付き合う彼氏のような気分になった。 

 

ユリさんといるだけで何をしても楽しくて、私の頬は終始ゆるみっぱなし。

 

(こんなに楽しい休日も久しぶりだな)

 

ユリさんを眺めながらしみじみと感じていた。

 

 

そんな楽しい時間はあっという間で、気がつくと空はオレンジ色に染まりかかっていた。

 

ショッピングも一通り終わって、あとはもう帰るだけなのかな?と若干テンションが下がる私。

 

するとユリさんが、

 

「木下さん、この後ってまだ時間大丈夫ですか?」

 

と訊いてきた。

 

『⁈』

 

(まだ帰らないのか?!)

 

私のテンションは一気にうなぎ上りになる⤴

 

『特に予定はないから大丈夫だけど?』

 

と返事をすると

 

「少しドライブしませんか?」

 

とのお誘いが♡

 

(やたー!ユリさんとまだ一緒にいれるー!!)

 

と内心は大喜びしながらも、表向きはテンションを8割ほど抑えて

 

『いいねー(^^ 』

 

と返事をした。

 

 

 

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初デート♡

約束の日。

 

私は朝から浮足立っていた。 

 

休日もユリさんと一緒にいられることは嬉しいけど、なんだかそわそわして落ち着かない。

 

(ユリさんはどんな気持ちでいるんだろう・・・)

 

そんなことを考えながら、 身支度を済ませた。

 

 

 

そして待ち合わせ場所に到着。

 

予定より早めに着いた。

 

この日はユリさんが車で迎えにきてくれることになっていたけど、ユリさんの姿はまだなかった。

 

待っている間もなんとなくそわそわ。

 

しばらくすると遠くにユリさんの車が見え、私は大きく手を振った。

 

 

目の前に車が止まり、窓越しに中をのぞくと相変わらずの美しい笑顔のユリさんが♡

 

(あぁ~ユリさんだぁぁぁ~♡)

 

そんな高まる気持ちを必死に抑えながら、私は助手席のドアを開けた。

 

 

「遅くなってすみません」

 

と、少し恐縮した様子のユリさん。

 

『ううん、わざわざ迎えに来てくれてありがとう^ ^』

 

と言いながら私は車に乗り込む。

 

 

ユリさんはいつもいい香りを漂わせるけど、車内もそのいい香りで満たされていた。

 

オーディオアからは、なんとも切ない感じのバラード曲が流れていて、選曲もユリさんらしいなと思った。

 

 

そして車はゆっくりと走り出す。

 

車内は意外と距離が近くて、なんだか緊張する。

 

ユリさんも少し緊張?した感じで、はにかんだ笑顔を見せた。

 

 

それにしても、この日のユリさんのファッションは、オフショルダーにミニスカートというなんともエロちっ・・・女子力高め。

 

(今日は楽しい一日になりそうだ!)

 

と、私は密かに興奮していた(笑)

 

 

 

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お誘い

ユリさんへの気持ちを確信したところで、私の行動は今までと何も変わらない。

 

想いを伝えたい、ユリさんの気持ちが知りたい。

 

そう思うことはあっても、

 

もし拒絶されたら・・・

 

嫌われたら・・・

 

そう考えると、今のままの状態でいる方が何倍もマシだと思うから。

 

 

だから会社でユリさんと顔を合わせても、今まで通りの “普通” を装った。

 

もっと一緒にいたい、もっと話を聞きたい。

 

そう思うけど、そんな感情は一切表には出さない。

 

ユリさんの姿に気付いても気づかないふりをしたり、とにかく自分の気持ちを抑えるのに必死だった。

 

 

そんなある日、社内でデスクワークをしていると、ユリさんがやってきてこう言った。

 

「木下さん、今度の休み、どこか遊びに行きませんか?」

 

いきなりのお誘いに一気にテンションが上がる私。

 

しかもどうやら二人で遊びに行こうという話のよう。

 

(えーーー!! ユリさんとデートぉぉぉぉ!!)

 

と、心の中では絶叫しながらも、

 

『今度の休み? うん、大丈夫だよ(^^』

 

と、表向きは至って冷静に返事をした。

 

 

それから私たちは連絡先を交換した。

 

実は今までプライベートの連絡先を知らなかった私たち。

 

家に帰ってからもユリさんからメールが届くようになり、そのたびに私は舞い上がった。

 

 

 

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やっぱり好き

翌日。

 

目が覚めると外は明るくなっていた。

 

 

私はユリさん家のベッドの上にいて、隣にはすやすやと眠るユリさんの姿があった。

 

 

そういえば昨日、ソファで寝ていた私に

 

「ベッドで寝た方がいいんじゃないですか?」

 

と、ユリさんが言ってくれて、ベッドで一緒に眠らせてもらったんだ。

 

 

セミダルブルのベッドは二人で寝ると意外と狭い。 

 

ユリさんとの距離が近すぎて、今さらながら、なんだか恥ずかしくなってきた。

 

 

すると突然、ユリさんがモゾモゾっと動き出し、私の方に向きを変えた。

 

どうやら彼女も目を覚ましたようだ。

 

 

『おはよ』

 

 

私が声をかけると、かぶっていた布団で半分顔を隠しながら少し恥ずかし気に笑うユリさん。

 

その顔があまりにもかわいすぎて、私の頬も思わず緩む。

 

(起きた瞬間から幸せすぎるだろ~(T_T))

 

と、朝からノックアウトされてしまった。

 

 

でも、ユリさんはすぐにまた目を閉じた。

 

どうやらまだ寝足りない様子。

 

静かな部屋の中で時計の針の音だけが響いていた。

 

 

そんな彼女の無防備な姿を見て、私の胸はまたギューっと締め付けられていた。

 

このまま抱き寄せたら彼女はどんな反応をするんだろう?

 

心の中でそんなことを考えた。

 

 

でも私は、どんなときでも理性を失ったりはしない。

 

彼女を抱き寄せ、拒絶されたら・・・

 

そう考えると、行動には移せない。

 

 

いろんな感情がグルグルと駆け巡る中、私はただただ彼女を見つめていた。

 

 

そして心の中で

 

 

(やっぱり私は、ユリさんが好きだ)

 

 

と、彼女への想いを確信した。

 

 

 

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あれ? 誘ってる?

ユリさん家での初めてのお泊り。

 

私はソファで横になりながら

 

(このままユリさんと朝を迎えるのか~・・)

 

と、ぼんやり考えていた。

 

 

すると目の前にユリさんがやってきて、ちょこんと座った。

 

「大丈夫です? お水飲みます?」

 

と顔を覗き込まれ、なんだか恥ずかしくなる私。

 

少し顔を隠しながら

 

『いや、大丈夫・・』

 

と言った。

 

 

そしてそのままの状態で少しおしゃべりをした。

 

何を話したかはあまり覚えていないけど、二人だけの空間で、クスクス笑いながらお喋りをしたのは、すごく幸せな気分だった。

 

 

でもきっと、ユリさんは私と同じ気持ちではない。

 

私のことは、せいぜい「話の合う先輩」ぐらいにしか思っていない。

 

 

だから・・・

 

好きになってはいけない。

 

 

そう自分に言い聞かせ、私は目の前で笑うユリさんを見つめていた。

 

 

 

だけど・・・

 

 

その数分後、またしても私はユリさんに心奪われてしまう。

 

 

 

それは本当に不意な出来事だった。

 

 

おしゃべりをしている途中、ユリさんの視線が自分の手に向けられていることに気づいた私。

 

でも、とくに気にもとめず話を続けていたら、急にユリさんが黙ってしまった。

 

私は「?」と思いながらユリさんを見ていると、ユリさんが急に私の手の甲をスーッと指でなぞりながら、こう言った。

 

 

「私、こうゆう血管好き・・・」

 

 

 

その瞬間、なんとも言えない気持ちになった。

 

なんていうか、すごいエロい雰囲気だった。

 

 

このままユリさんの腕を引き寄せて、キスでもしてやろうかって一瞬本気で考えた。

 

でも・・・

 

チキンな私は、

 

『ひぃぃぃぃぃ』

 

っていう、よくわからないリアクションをして手を引っ込めてしまった。

 

 

 

ただあの空気はマジでヤバかった。

 

(あれ? ユリさん? 誘ってる?)

 

って本気で思った。

 

 

あのまま私がふざけずにいたら、どんな展開になっていたんだろう。

 

もしかしたら、もしかしてたのかもしれない。

 

そんな風に考えると、なんだかすごくドキドキしてしまった。

 

 

 

でも結局、それ以上は何もなく私たちは眠りについた。

 

 

そしてそのまま楽しい1日は終わった。

 

 

 

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はじめてのお泊り

ユリさん家での女子会、楽しい宴は深夜まで続いていた。

 

 

でもその途中から、私は強い睡魔に襲われていた。

 

あまりの楽しさに、ついつい飲み過ぎてしまったのだ。

 

 

みんなともっとお喋りしたい。

ユリさんの話をもっと聞きたい。

 

そう思うものの、まぶたが重く、目を開けていられない。

 

 

だんだんとみんなの声が遠くなってきて、私はそのままソファに横たわり、寝落ちしてしまった。

 

 

 

それからどれくらいの時間が経ったのだろうか・・・

 

ふと目を覚ますと、さっきまで賑やかだった部屋は静まり返り、テーブルの上も片付けられている。

 

どうやら私が寝ている間に、みんな帰ってしまったようだ。

 

 

でも私の頭は、まだ半分思考停止状態。

 

相変わらずまぶたも重く、体も動かない。

 

ソファに横たわったまま、ただ目の前にあったテレビをぼーっと見つめていた。

 

 

すると洗面所の方から、ユリさんが出てきた。

 

「起きました?」

 

と声をかけらた瞬間、ハッと我に返る私。

 

『あ・・・ごめん、すぐ帰るね』

 

と言いながら、重い体をなんとか起こそうとした。 

 

すると、

 

「泊まっても大丈夫ですよ?」

 

と言ってくれる優しいユリさん。

 

でもさすがに私の気持ち的にまずいので、

 

『いや、でも悪いし・・・帰るよ』

 

と言うと、

 

「そんな状態じゃ帰れないでしょ?」

 

と言われ、黙り込む私。

 

 

たしかにまだお酒のせいで頭の中はぐるぐると回っていた。

 

たぶん起き上がれば普通には歩けない状態だったと思う。

 

何よりも眠気が強すぎて、できればここで寝かせてもらえたら、すごくありがたかった。

 

 

そして少し考えた結果、

 

『・・・本当にいいの?』

 

と、ユリさんに聞く私。

 

ユリさんはふふっと笑いながら

 

「だから、いいですよ?」

 

と、言ってくれた。

 

 

それを聞いた私はユリさんにお礼を伝え、半分起こしかけていた体を、再びドサッとソファに預けた。

 

皮張りのソファは冷たくて気持ちいい。

 

そしてユリさん家のいい香り(笑)

 

まぶたを閉じると、すぐにでも深い眠りに入りそうだった。

 

 

 

 

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女子会

この前の飲み会で、ユリさんの誘いを断ってしまったことが少し気まずかった私。

 

でもユリさんはそんなこと気にもしていない様子で、会社では相変わらず

 

「木下さん^^」

 

と話しかけてくれた。

 

 

 

この頃ぐらいから、私が会社にいるときはランチも一緒に食べるようになっていた。

 

私はもともと仲のいい女性社員3~4人でランチを食べることが多かったのだけど、ユリさんも一緒に食べたいというので、仲間に加えてもらった。

 

 

そしてそのうち、このメンバーで女子会をしたいねという話になった。

 

しかも会社から近いユリさんの家で飲もうということになり、その数日後、その女子会は開催された。

 

 

あの時行けなかったユリさんのお家。

 

今回は二人きりではないけど、なんだかドキドキしてしまう。

 

(ユリさんはどんな部屋に住んでるんだろ~)

 

そんなことを考えながら、私は教えてもらった住所へと向かった。

 

 

 

到着すると、そこには比較的新しい感じの大きななマンションが。

 

決して珍しい外観ではないのだけど、ユリさんが住んでいるというだけでなんだかオシャレに見える(笑)

 

 

そしてユリさんが住む部屋の前に到着。

 

私はゆっくりとインターホンを押した。

 

 

数秒後、ドアがガチャっと開き、ユリさんが出てきた。

 

それと同時にふわっと香る、品のいい香り。

 

ユリさんは相変わらずの美しい笑顔で、

 

「どうぞ^^」

 

と、私を招き入れてくれた。

 

 

部屋の中は、ワンルームだけど結構広い。

 

白を基調としたモダンな感じがユリさんのイメージにピッタリだ。

 

 

奥に進むとすでに他のメンバーも到着していて、持ち寄ったお酒やおつまみを食べながら、楽しい宴が始まった。

 

 

 

そしてその中で、いろんな話をした。

 

会社の噂話、仕事の愚痴、そしてそれぞれの恋愛について。

 

 

ユリさんは、学生時代から長く付き合っていた元カレの話をしていた。

 

彼の母親とも仲良くなって、その母親からブランド物のバッグまでもらったこともあったそうだ。

 

でもその彼とは、彼の留学がきっかけでダメになったらしい。

 

遠距離恋愛は難しいですよね」

 

と、ユリさんは笑っていた。

 

 

正直、ユリさんの元カレの話を聞くのは結構複雑だった。

 

(やっぱり普通に男の人が好きなんだな)

 

と思うと、これ以上ユリさんへの気持ちを強くしてはいけない。

 

早めに断ち切った方がいいと思うようになった。

 

 

でもその数時間後、その決意はあっさりと打ち砕かれる(笑)

 

 

 

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