ずーっとあなたに恋してた

苦しくて、切なくて、でも愛おしい。そんな恋の物語。

夜のドライブ

ショッピングモールを出てから、車はあてもなく走り出した。

 

ユリさんもまだ私といたいって思ってくれているのかな?

 

それともただの暇つぶし?

 

そんなことを考えながら、私は窓の外の景色を眺めていた。

 

 

だんだんとオレンジ色に染まる空。

 

紫がかった雲とのグラデーションがきれいで、思わず見入る。

 

いつもならイライラする渋滞も、この日ばかりは気にならない。

(むしろユリさんといれる時間が長くなるので嬉しい)

 

ユリさんとの会話も弾み、最初は緊張していた車内も、いつの間にか居心地のいい空間になっていた。

 

 

それからしばらくすると、車は海岸沿いに到着した。

 

日はもうほとんど沈んでいて、向こう岸に見える夜景がキラキラと輝いている。

 

「ここ結構好きなんですよね~」

 

ユリさんはそう言いながら、車を寄せてエンジンを止めた。

 

 

窓を開けると、波の音とともに、潮風がふわーっと入ってきた。

 

周りにはカップルらしき男女の姿がちらほら。

 

(いや、おもいっきしデートスポットじゃん!)

 

そう思いながら、なんだかドキドキする私。

 

あまりにもいい雰囲気に思わずユリさんの手を握りたくなったけど、そんな度胸もないから自分の手を握る(笑) 

 

 胸がギューっと締め付けられるのを感じながら、目の前の景色を眺めていた。

 

 

それから私たちは、しばらくおしゃべりを楽しんだ。

 

きれいな景色と、心地いい波の音、そしてとなりにはクスクスと笑ってるユリさん。

 

たまに目が合ったときのユリさんの表情がかわいすぎて、何度も胸がキュンとなる。

 

(もしかしてユリさんも私のこと・・・)

 

そう思うこともあったけど、それは勘違いだと自分に言い聞かせた。

 

 

そして夜もだんだんと更けてきた頃、

 

「そろそろ帰りましょうか」

 

とユリさんが言った。

 

(いやだ!まだ帰りたくない!)

 

 そう心の中で叫んだけど、ユリさんには届かない。

 

エンジンがかかりゆっくりと動き出す車。

 

そうやってユリさんとの初デートは終わった。

 

 

 

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