バーベキュー②
バーベキュー当日。
あいにく空はどんよりと曇っていて、少し肌寒い。
私は急な仕事が入ってしまい、少し遅れて会場に到着すると、おじさん達はすでにお酒片手に盛り上がっていた。
そんな中、少し控えめに座るユリさんの姿。
彼女は私を見つけると、ニコッと笑って軽く手を振った。
会社ではいつも制服を着ているユリさん。
初めて見る彼女の私服姿は、イメージ通り大人っぽくて品がある。
(やっぱりキレイだな~)
私はなんとなく、そんなことを考えていた。
バーベキュー中もお肉を焼いてくれたり、飲み物を配ってくれたり、さりげない気配りをするユリさん。
おじさん達の長~い話もニコニコと聞いていて、おじさん達も満足気な様子(笑)
私もユリさんといろいろおしゃべりができて、楽しい時間を過ごすことができた。
だけど数時間後、そんな盛り上がりに水を差すかのように、パラパラと雨が降ってきてしまった。
おまけに風も強くなってきて、だんだんと寒さを強く感じるように。
(寒いな~・・そろそろお開きにならないかな~)
なんて考えていると、少し離れて座っていたユリさんが私の隣にやって来た。
「寒いですね」
そう言いながら私の隣に腰かけるユリさん。
『寒いよね~、てかこんな時間まで付き合わせちゃってごめんね、大丈夫?』
と言うと、彼女は
「大丈夫ですよ」
とニコッと笑った。
そして次の瞬間、
彼女が急に片腕を開き、羽織っていたストールを半分私の肩にかけてくれた。
つまりは、一つのストールを二人で羽織っている状態に。
この瞬間、私の心臓がドクンとなった。
ユリさんの香りに包まれ、
肩が触れ合うほどの近い距離に急にドキドキする私。
いきなりの事態に半分パニックになりながらも、
『・・ありがとう』
と言うと、ユリさんはただ無言でほほ笑んだ。
(か・・・・かわいい(〃ω〃))
まるで雷に打たれたかのような衝撃だった。
止まらないドキドキ
熱くなる体温
さっきまでの寒さはどこかに吹っ飛び、私の頭はユリさんでいっぱいになった。
そこから私は完全に、ユリさんのことを意識しだした。
そして私の中でのユリさんの存在は、じわじわと大きくなっていく。
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