バーベキュー①
ユリさんと仲良くなったものの、私は彼女のことを「かわいい後輩の一人」としか見ていなかった。
でも、あることがきっかけで、私は彼女のことを意識し始める。
それは、私が配属されている部署で、親睦会を兼ねたバーベキューを行うことになったときのこと。部署内では一番下っ端だった私が幹事をすることになっていた。
ユリさんにその話をすると
「いいな~、私も行きたいな~」
と言ってきたので
『え!じゃあおいでよ!部外の人でも大歓迎だよ^ ^』
と返した。
でもこの時、私は内心、これは社交辞令だろうと思っていた。
私たちは仲良くなったといっても社内での話。
私なら、わざわざ休みの日まで会社の人と会いたいとは思わない。
それに私のいる部署は私が唯一の20代(当時)で、あとは40代~50代のベテランぞろい。
しかもほとんどが冴えないおじさん(失礼!)ばっかりで、何の楽しみもないじゃないかと私自身が思っていた(-_-)
すると案の定、ユリさんはこう言った。
「ん~・・・でも私、今月金欠なんですよね~」
定番の断り文句だ。
私は心の中で
(ほら、やっぱり)
と思いながらも、なぜか少しガッカリ。
『お金なら○○部長に出してもらえばいいじゃーん』
と冗談を言ったら、ユリさんも笑っていたけど、そこで話は終わってしまった。
別に期待をしていたわけじゃないけど、ユリさんが来てくれたら少しは楽しくなるのになと思っていた私。
でも無理に誘うのも申し訳ないし、しつこく誘うのはやめといた。
ところがその数日後、ユリさんが私の席までやってきてこう言った。
「バーベキュー、やっぱり私も参加していいですか?」
『・・・・⁈』
まさかの言葉にビックリする私。
『もちろんだよー! ユリさんが来てくれるなんて嬉しいわ~』
そう言うと、彼女は少しはにかんだ笑顔を見せた。
その笑顔がすごくかわいくて、私の胸がキュンとなる。
めんどくさいと思っていたバーベキューが急に待ち遠しくなった(笑)
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